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2005.05.03,Tue
そして粛清の扉を
黒武 洋

新潮社 2005-01
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今年文庫化されたのを見かけて、ハードカバーで発刊されたときに購読していたのを思い出した。
第一回ホラーサスペンス大賞受賞作である。選考委員は大沢在昌、桐野夏生、宮部みゆき。
大沢、宮部両氏に「問題作だ」と言わしめたほどの作品である。

ホラーといっても、怪物やオバケが出てくるわけでもなく、それほどグロくもない。
敢えて分類するなら、バイオレンス系クライムサスペンスノベルという分類がぴったりくると思う。

犯人が主人公。主人公が犯人。
被害者も犯人。
犯人VS犯人/被害者VS被害者/犯人VS被害者
という3つの視点で読むことが出来る。
復讐という名の狂気。そこに垣間見ることができる猟奇という名のまた狂気。
読む者はこの狂気に追われて一気に読了することになるだろう。


そして、この小説はそれを遡ること2年前に発刊されたある小説と批評された。
そのある小説とは・・・
バトル・ロワイアル
高見 広春

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そう。バトルロワイヤルである。

この2つの作品には生徒が複数惨殺されるという共通項がある。
そしてもうひとつ、重要な共通項「粛清」という大義名分である。
「粛清」とは何か―「正義」とは。「復讐」とは。「殺人の動機」とは。
どんな理由であれ、殺人は殺人なのである。大義名分などというものは虚構である。
読後には「これでよかったのか?」と自問自答することになるだろう。
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Comments
無題
はじめまして。りんといいます。

黒武洋さんのデヴュー作が記事になっているのにつられてコメントしてしましました。

そして「粛清の扉を」面白いですよね。私が初めて読んだのは、この作品が出版されて少し経ってから、友人に借りて読んだのが最初なのですが、とても面白く読めました。
2作目のメロス・レヴェルもとても面白かったですよ。

バトルロワイアルは読もう読もうと思いつつ、結局読まずに終わってしまったのですが。

確かに、両作品とも生徒が複数惨殺されています。黒武氏の作品の主人公の行いは決して許されるべきことではありませんが、主人公への生徒たちの行いも許されるべきことではないでしょう。
読後は少し考え込んでしまいました。

ただ、物語の緻密さにはやられた、と思いました。あくまでもフィクションとして捕らえることができるなら、楽しめる作品ではあると思います。
Posted by りん - URL 2005.05.03,Tue 21:56:21 / Edit
無題
はじめまして。
コメントありがとうございます。うれしいです。

この作品は人生で心に残るものになると思います。
誰が悪いのかを考えるのは人それぞれの倫理観でいいと思いますよ。それが作者の訴えるところでもあると思いますし。
僕はメロス・レヴェルは読んでないです。どんなストーリーなんでしょう。今度本屋行ったら探してみます。
Posted by またべぇ - URL 2005.05.03,Tue 22:51:58 / Edit
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