■マジックオヤヂ。

思い出話。

それはまだ僕に愛しい彼女がいた時代の話。

夜の公園。

手を繋ぎながら歩く二人。

ベンチを見つけ、腰を下ろして目で語る。

またべぇ「（キス！！）」
彼女「（キッス！）」
二人「（キッス！キッス！キッス！ほーれほれブッチュー！）」
男性A「たこ焼きいらん？」

びっくりするやんけ、オッサン！急に声掛けんなや！

せっかくいい雰囲気（エッチなチャンス）だったのに、ぶち壊されて文句のひとつでも言ってやろうと男性の方を振り向いた。

そこには手にたこ焼き入りの発泡スチロール容器を持ってこっちをじっと見る、怪しいオヤジがいた。
手にたこ焼き。夜の公園にひとりたたずむオヤジ。黒光りするアタマ。

・・・・。

黒光り？チョッチマテヨオイ。

夜なのでよく見えないが、確かに黒光りしてる。
ｺﾞｼｺﾞｼｺﾞｼ。。。目を擦ってよ～く観察してみた。

スキンヘッド+黒マジック！！！！！！

ありえねー！
そんなのテレビで井出らっきょがやってるのしか見たことあらへんし！！まさか現実に目の前でそんなお宝（？）が拝めるとは思いませんでしたお母さん。

黒光りスター「たこ焼き買ってくれへんか？」
またべぇ「う、うん。なんぼ？ｳﾌﾟﾌﾟﾌﾟﾌﾟﾌﾟ」

値段聞くなよ俺！！

黒光男「500円」
またべ「高っっ！！！！300円にせぇや！」

値切るなよ俺！！！！

黒マジック「おう。ええわそれで。」
またべ「お、おう。」

結局食べたくもないたこ焼きを300円押し付けられたのでした。
普通なら絶対買わない。いや、頭が黒光りしてなかったら断ってたさ。
そしてそのたこ焼きはぬるかった。
てか、食べた。黒光りオヤヂと分かれた後、彼女の前で精一杯虚勢を張っていたのだからしょうがないやんか（泣）