2004.02.27,Fri
優しさってなに?
『彼と魚とおなかをすかせた子供』
彼はある日、釣りをしていました。そこにおなかを空かせた子供がやってきて、魚をくれとねだりました。
しかし、彼は子供に魚を与えませんでした。そのかわり「ぼくがあと10尾、魚を釣り終わるまでそこにいなさい」とだけ言いました。子供はうらめしそうにただ釣り糸の先を眺めました。そのうちに釣竿の先端がぐぐっと曲がり、釣り糸は波紋を描く水の中に引き込まれて突っ張りました。と、その瞬間、竿をさっと引き抜きました。魚は元気よくピチピチと動き、その口には釣り針をしかっりとくわえてました。
子供はいっそううらめしそうな顔で今度は彼の顔をじっと見つめました。それからあと、9尾分同じことを繰り返し、彼は魚を全部持って去って行きました。「明日の朝、ここに来てごらん」とだけ言い残して。
子供は翌朝、少し腹を立てつつ今度は魚を奪ってやろうかしらと思いながら、昨日彼がいた場所に行きました。
そこには竿と糸と針だけが置いてありました。
子供はふいに眩暈を感じ、ゆっくりとそこに座り込んだまま目を閉じました。空腹は限界だったのです。子供は魚がいっぱい釣れる夢を見ながらさいごの呼吸をか細くゆっくりゆっくりとしました。
優しさって、なに?と聞かれても答えはありません。
彼が優しさだと思ってした行為はなんだったのでしょう。
酷い行為だと感じる人もいるでしょう。後に子供の死を知った彼はきっとこの後の人生を後悔でいっぱいになりながら過ごすことになるかもしれません。でも、彼は彼なりの優しさをもって子供に接しました。それなのに残ったものは後悔と悲しみ。
この作品を読んで子供の死ぬことを知っているみなさんならこんな彼の立場にあったとき、きっと子供に魚を与えてしまうでしょう。それでも釣り道具だけ残す人もいるかもしれません。
優しさとは基本的に一方通行でいいと思ってます。ぼくは他人ではないから他人の気持ちや立場を体感できません。だから一生懸命相手のことを思いやってあげようと思います。そして相手が僕のこととを思いやってくれているのならそれがどんな言葉でもどんな行為でも一生懸命それを受け止めようと思います。ただの自己満足と批評されるかもしれません。人それぞれです。どれが優しさなのかなんて定義はそれぞれの人の中にしか存在しないと思います。
僕の周りは友達や家族の優しさに包まれています。
世の中がみんなぼくの友達のように優しかったなら・・・。
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